浮腫みについて

柏町接骨院の及川です。今回はこの夏になりやすい浮腫みについてです。朝、起きたら顔が、足が、浮腫んでしまっていることはないでしょうか。その浮腫みは何かしらのサインなのかもしれません。何が原因でなってしまうのか、また浮腫みに潜む病気について考えていきましょう。

浮腫みとは                  

皮下組織(表皮や真皮を支える組織)に余分な水が溜まった状態を指します

動脈から身体の組織中ににじみ出た水分は静脈やリンパ管に戻ります。

しかし、何らかの原因で回収されずにとどまってしまい、皮膚を下から圧迫し腫れぼったくなってしまいます。

*症状

皮膚は薄く、弾力性がなく、乾燥しやすいため傷がつきやすい。光沢、赤み、硬化など皮膚の変化もみられる

指で押して、しばらくの間凹んだ状態が続く。痕が残らないタイプもある。

また重力によって水分が下へ移動しやすく、足などふくらはぎに多くみられる。

その為、時間帯は夕方以降に悪化することが多い。

では身体にとって浮腫みとはどういったサインなのか考えていきましょう

*生活習慣による浮腫

  • 運動不足:筋肉には心臓に血液を戻す作用があります。筋力の低下に伴い、そのポンプ作用が低下し、血液やリンパの流れが悪くなるため浮腫んでしまう。
  • 水分の過剰摂取:体の血管内の水分バランスを崩してしまうため、水分が体内にとどまってしまう。
  • 塩分の過剰摂取:体は塩分濃度を薄めようと水分を溜め込んでしまうため。
  • 冷え、暑さによる血行不良により、水分や老廃物が排出されにくくなってしまうため。
  • 自立神経の乱れ。自律神経は血管収縮、拡張を調節しているため、血流が悪くなってしまうため。

*身体の不調が原因で起こる浮腫

1,心性浮腫:心臓のポンプ機能が低下し、全身の血液循環が悪くなる。横になると心臓の負担が軽減し、状態は少し改善し尿がよく出る。

2,腎性不全:尿として排泄し、体の水分を調整している。機能が低下すると体内の老廃物や水分を排出できなくなったり、タンパク尿が大量に出てしまい水分バランスが崩れ浮腫む。

3,肝性浮腫:肝臓で主に生成されるタンパク質は血液中の水分を一定に保つ働きがあるため、そのタンパク質が少なくなってしまうと血液中の水分が外へ出やすくなり浮腫んでしまう。

4,甲状腺の機能低下:ホルモンを分泌し体の成長やエネルギー産生、体温調節を行っている。これらの機能が低下すると、疲れやすく、体重の増加など症状が現れる。また粘液水腫と呼ばれる、押しても痕が残らない浮腫が特徴的である。これは全身性で顔や目の上、唇や舌が腫れてきてしまう場合がある。

上記4つは全身が浮腫み、一日中持続して場合によっては数日続くこともあります。また指で押すとへこんでしばらく元に戻らないむくみの場合、心臓、肝臓、腎臓が悪い場合が考えられます。その場合浮腫みだけではなく、呼吸が苦しい、動悸、尿の出が悪いなど、その他症状も認められることが多いです

  • 下肢静脈瘤:静脈がコブのようにふくらんだ状態で主にふくらはぎにできる。静脈弁が正常に働かず血液が逆流し足に血液溜まり、循環が悪くなるため浮腫みになってしまう。男性よりも女性に多く見られ、長時間の立ち仕事に従事する方に非常に多い。年齢とともに進行しやすい。症状はだるい、重い、痛いなど多岐に及ぶ。進行すると皮膚の痒みや皮膚硬結、湿疹などが出てきてしまう。医療機関の受診が必要である。
  • リンパ浮腫:血管と同様に全身に張り巡らされたリンパ管を流れるリンパ液が何らかの原因で流れが滞り四肢に溜まった状態のことを言う。癌の術後などに多く、リンパ節の切除、放射線治療をした際にリンパ節を損傷するため、リンパ液の流れが悪くなって浮腫んでしまう。自然に治ることがない為、専門の医療機関を受診が必要である。

浮腫みはこのような身体の不調、循環が悪くなっているサインです。軽度の浮腫みは一時的なもので健康な人にも起こり得ますが、重度で慢性的な浮腫みは、基礎疾患を抱えている可能性があります。浮腫みの他に息苦しい、動悸が伴う場合は要注意です。

直ぐ治るだろうと断定せず、お近くの医療機関に相談することを勧めます

~浮腫みの予防~

なぜ、夏は浮腫みやすいのでしょうか。暑いとクーラーに当たる時間長くなり、冷たいものを多くとってしまいます。こういった原因で血流が悪く浮腫みやすい身体になってしまうというわけです。では、どう予防、対策したら良いでしょうか考えてみましょう。

  • 運動:特にふくらはぎの血流を良くしましょう。自宅でできる、かかと上げやその場で足踏みなど。軽く汗をかき疲労が残る位を目安にやりましょう。足のゆびのエクササイズも有効で、意識してグー、チョキ、パーを作るように意識して運動するのも○
  • 入浴:半身浴や全身浴でゆっくり湯船に浸りましょう。暑い時期は半身浴がおススメです。足浮腫みを軽減したり、身体の負担を軽くする効果が期待できます。また、心臓や肺が弱い人や高血圧の方には身体の負担も少なく済むのでおススメです。半身浴は下半身が浸かる程度で、42℃位の熱さの場合は5~8分ほど入ります。38℃位の熱さに場合は20分程度が理想です。
  • マッサージ:特に下半身を中心にマッサージをしましょう。静脈やリンパの流れをよくすると浮腫みの解消につながります。特に親趾を動かしながら、内くるぶしの下を手でほぐしてあげると、スッキリします。また、足の間に手の指をはさみ、足首を回したり、そらせてみたりするのも〇
  • 食事:塩分(ナトリウム)をたくさん取ってしまうと体の塩分濃度を薄めようと水分を溜め込んで浮腫んでしまいます。大体の1日の塩分目安は男性で7.5g未満、女性は6.5g未満、高血圧の方は5~6g未満です。味噌汁は一杯当たり1.5gです。

塩分の取り過ぎないためにもナトリウム(塩分)を排泄する働きがあるカリウムを摂取しましょう。*腎機能が低下している場合は制限が必要になる場合があります。カリウムの摂取量の目安は男性で1日2500mg、女性は2000mgです。

オススメの食材はバナナ(一本当たり360mg)、かぼちゃ(100g当たり約450g)、さつまいも(100g当たり約380g)などは気軽に摂取できます。そして特にひじきや昆布などの海藻類にも多く含まれています。

以上、浮腫みについてでした。普段の私生活の中で意識的に対策でくる部分もあり、お困りでしたら、是非やってみてはいかがでしょうか。また、気が付いた時点でまずは近くの医療機関に相談してみてはいかがでしょうか。そういった症状や悩み等があれば、当院に気軽にお電話、ご相談下さい。